「音楽の“からくり”が、知りたかった」
50代で仕事を辞め、学び直しを選んだ受講生の声
大谷 さん
DTM/作編曲
50代からの学び直し
谷 正太
聞き手
MITC ACADEMY 主宰
50代で長年の仕事を辞め、「これからは好きなことをしよう」と人生を見つめ直した大谷さん。子どもの頃から音楽が身近にあり、コード進行への興味を抱き続けながらも、仕事に追われる日々の中で、その想いは長く眠ったままでした。
「作曲はできても、編曲ができない」「なぜこのコードなのか、誰も教えてくれない」——そのモヤモヤの答えを探し続けた末に、MITC ACADEMY主宰の「谷 正太」の運営していたスクールに辿り着きます。
大人になってからの学び直しで、何が変わったのか。音楽と人生の物語を、主宰との対話形式で振り返っていただきました。
CHAPTER 01
原点は、家にあった古いオルガン
音楽との出会いは、いつ頃でしたか?
家に古いオルガンがあって、幼稚園か小学生の頃から、それで遊んでいたんです。「ちゃんと弾きたいな」と思って、小学3〜4年生の時に、親に「ピアノを習いたい」と言って始めました。中3の受験前まで続けましたね。
中学ではフォークギターも始めました。当時は弾き語りが流行っていて、みんなやっていたから(笑)。合唱部にも入って、気づけば音楽づけの学生時代でした。
コード進行に興味を持ったきっかけは?
中学の頃、周りに音楽のすごく好きな先輩たちがいたんです。マイケル・フランクスやスティーヴン・ビショップのような、いわゆるAORを聴いているような人たち。その中で、オフコースを聴いた時に「なんだ、この和音は」と衝撃を受けました。9thや11th、13thといったテンションのついた和音が使われていて、「他と違うぞ。おしゃれだな」と。ギターの上手い先輩たちが「ここが違うんだよ」と教えてくれて。
思えばあれが、コード進行そのものに興味を持った原点だったと思います。
CHAPTER 02
50代の決断 ——「このままじゃ、おかしいよね」
長く仕事をされてきて、音楽を学び直そうと思ったのは?
医療系の仕事をしていて、1日10時間以上働くような毎日でした。音楽は好きで聴いてはいたけれど、気がつけば何十年も経っていて。「人生ってなんだろうな」と思うわけですよ、40代、50代になっていくと。
50歳を過ぎた頃、主人と一緒に「このままじゃおかしいよね」と人生を考え直したんです。無理したってしょうがない。嫌なことはしなくていい。進むのは遅くても、好きなことをしよう、と。それで仕事を辞めて、音楽に向き合うことにしました。
なぜ、DTM(コンピューターでの音楽制作)だったのでしょう?
坂本龍一さんのドキュメンタリーなどを見ていると、シンセサイザーやコンピューターで音楽を作る世界があるのは、ずっと前から知っていたんです。「私がもし音楽をやるとしたら、それじゃないか」と。今から楽器の演奏で何かを成すのは難しいけれど、DTMなら自分に向いているんじゃないかと思っていました。
ただ、一番の動機は——作曲は鼻歌でなんとなくできても、「編曲(アレンジ)」がまったくできなかったことです。曲は作れても、それを形にできない。そこをなんとかしたい、というのが、先生のところに行く前の、かなり強い動機でした。
CHAPTER 03
「音楽のからくり」を教えてくれる場所を探して
MITC 主宰の「谷 正太」に辿り着くまでには、いろいろ探されたそうですね。
そうなんです。仕事を辞めてから、ギターを習ってみたり、Macの講座でガレージバンドの使い方を教えてもらったりもしました。でも、コード進行の「型」は教えてもらえても、「じゃあ、なぜそうなるのか」は、誰も教えてくれないんです。ツールの使い方を覚えても、それが作曲や編曲には繋がらない。
私が知りたかったのは、音楽の「からくり」なんです。なんでこういうコードが出てくるんだろう、なんでこんな流れになるんだろう。そのからくりがわかれば、自分で好きなことができるんじゃないかと。でも、それを教えてくれる場所が、探しても探しても、なかなか見つからなかった。
その中で、MITC 主宰の「谷 正太」を見つけた。
Macの講座で「楽譜が読めるなら、ガレージバンドよりLogic Proの方がいいですよ」と言われて、Logic Proを調べているうちに、先生に出会いました。「Logic Proのモヤモヤと、コード進行のモヤモヤ、両方解決してくれる先生がいるじゃん」と(笑)。
正直、最初は「プロ向けに近い雰囲気だし、私が入っていいのかな」と思いました。でも、「私の知りたいことは、ここにしかない」と確信して、恐る恐るメールを送ったんです。私が求めていたのは「習い事」ではなかった。本気で学べる場所を、ずっと探していたんだと思います。
主宰より
「なぜそうなるのか」を知りたい方は、実はたくさんいらっしゃいます。大谷さんのように、コード進行の疑問を長年抱え続けてきた方にこそ、体系的な音楽理論は深く刺さります。まさにMITCが向き合いたい方でした。
CHAPTER 04
学びの成果 ——「聴こえ方が変わった」
学んでいて、一番効果を感じたのはどんな時ですか?
聴こえ方が変わったことです。もう、全然違う。それだけでも「豊かになれたな」という気持ちになります。
最初に感激したのは、筒美京平さんの書かれた「人魚(歌:NOKKO)」という楽曲を聴いた時です。オーケストラっぽく始まって、ジャズっぽいコードの要素や、モードのような展開が少し入って来て、またジャズっぽいコードに戻って——「すごいな、この曲」って。前から素敵な曲だなとは思っていたけれど、「なんとなくいい曲」が、「なぜすごい曲なのか」わかった瞬間の感動は、忘れられません。
「人魚」(歌:NOKKO/作曲:筒美京平)
ご自身の制作にも、変化はありましたか?
ありました。課題でなくても、DTMで適当に作っていても「曲っぽいもの」ができるようになったんです。それと、友達から編曲を頼まれるようになりました。「ビートルズのこんな曲みたいにしたいんだけど」と言われて、何回か聴いたら「こういう風にすればいいんだな」とわかって、作ってあげられる。時間はかかるけれど、喜んでもらえるんです。
好きだった曲なら、理論がなくても似たものは作れたかもしれません。でも、自分の好きなジャンル以外で「作ってください」と言われた時、音楽理論がないと作れないんです。「なぜこれがジャズっぽく聴こえるのか」「なぜブルースっぽく聴こえるのか」——それをいちいち曲を聴いてコピーして探っていたら、いくら時間があっても足りません。
主宰より
音楽が一番上達するのは、「聴こえ方」が変わった時。これは、学んだ方全員が共通して口にされることです。そこが本当のスタートラインなんです。
CHAPTER 05
大人の学習法 ——ノート3冊と、課題の力
どのように勉強を進めていましたか?
DTM(パソコンの操作)は、録画されたレッスンを全部見直しました。使い方のコツをノートにメモして——もう3冊目です(笑)。操作は、見ているだけだと「やれた気」になるんですが、実際に始めると絶対にできない。だから録画を何度も見返しました。ビデオがなかったら、絶対に挫折していたと思います。
音楽理論の方は、課題があるので、取ったノートを見ながら課題をこなしていけば、だいたい大丈夫でした。引っかかったところは見直して。自分で曲を作っている時に、何ヶ月かして理論を見直す、という感じです。
「課題」の存在は大きかったですか?
大きいです。覚えるだけ覚える人って、いっぱいいると思うんです。でも課題をやらないと、「音楽理論を知っているだけの人」が出来上がってしまう。課題をこなすことで、初めて「どう使うのか」がわかる。理論が身につくのは、課題をやるからだと思います。
主宰より
音楽理論は積み上げの学習です。1つ抜けると、そこから崩れ始める。大谷さんは、復習と課題を徹底することで、それを完璧に体現してくださいました。
CHAPTER 06
これから学ぶ人へ ——理論は「文法」、楽譜は「設計図」
音楽理論を学ぶ意味を、どう感じていますか?
音楽理論は「文法」だと思っています。天才は、小さい頃から音楽が体に染み付いているから、理論を意識しなくても作れる。言葉でいえばネイティブです。でも、私たちのような凡人が、まるで才能があるかのように音楽の世界でやっていこうと思うなら、文法から学ぶしかない。大人になってから英語を学ぶのと同じで、単語を覚えて、文法をきちんとやる。それが一番の近道なんです。
楽譜についても、思うところがあるそうですね。
楽譜は「設計図」です。音楽を建築に例えるなら、設計図なしで建てられるのは天才だけ。凡人にとって、楽譜は助けなんです。コピーするにも、曲を作るにも、人と共有するにも、楽譜が読めて書けると、すべてにおいて速い。
「この音をAにしてください」「ちょっと転調してください」——そんな時も、楽譜が一枚あれば終わる話です。凡人こそ、音を聴くよりも楽譜を見せてもらった方が、作者の意図がわかる。すごい情報交換ができるんです。
最後に、これから学ぼうか迷っている方へ。
こんなに自分ができるようになるなんて、思っていませんでした。「できたらいいな」というのが、心のどこかにずっとあっただけ。でも、やるって決めたら、やるんです。
お金にはなっていないけれど(笑)、自由に曲が作れるようになって、誰かのためにちょっと役に立てている。それでいいじゃん、と思っています。ここから先、「案外プロになれるのかな」なんて思ったりもして。いや、いけるかも、って(笑)。
LISTEN
大谷さんの楽曲を聴く
インタビューで語られた学びの成果を、実際の音でお聴きください。
こちらの音源はLogic Proの付属音源のみを使用して作られております。
中学時代に抱いた「なんだ、この和音は」という疑問を、50代で解き明かした大谷さん。「音楽のからくり」を手に入れた今、その学びは日々の聴こえ方を変え、周りの人を喜ばせる力になっています。
学び直しに、遅すぎるということはありません。MITC ACADEMYは、本気で音楽を学びたいすべての方のための音楽学校です。
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